刺鍼練習台で鍼の基礎練習!在学中も卒業してからも基礎にもどる技術向上の秘密を公開!
刺鍼練習台
懐かしいですよね?現役のあはき学生であれば1年生で嫌というほど使う鍼の練習台です。
1年次はいきなり生体(生身の人間)に鍼をするわけではなく、これを使います。
卒業したら9割くらいの学生はこんなもんいらんわ言うてメルカリ行きか捨てると思います…。弊社でもしつこく持っているのは私だけです。こんまりメソッド的には捨てられるコースです。
いろんなパターンの練習台があるのですが、四国医療専門学校ではスポンジだけでなくこのシリコンマットをセットしたプヨプヨしたやつを使っていました。意外と学校によって使っている刺鍼練習台は違うのですが、出身校別に聞いてみた結果、やっぱりこのタイプが人体への刺入した感覚に近く、臨床との相性が良いという結論です。
階層が分かれています。
取り出すとこんな感じ。
片手挿管からはじめて…
刺入します。
たった1枚の紙を使った刺鍼練習台での刺入の練習
付属品の謎の紙
このペライチの習字の半紙みたいな、あぶらとり紙みたいな紙の活用方法ですね。
一緒に刺鍼練習台セットの中に付属する紙です。
何やねんこれ、シリコンマットが癒着せんように仕切る紙なんか、顔の油とる紙なんかと1年次思っていたんです。
2年次、松木宣嘉先生がたまたま赴任してきて担任を受け持ってくださり、実技かなんかで教えてくれたやり方が衝撃的で今も時々、基礎に戻りたい時にやっています。
教えてもらったその日に治療院の先輩たちと共有して、過去の教職員でこのやり方を教えてくれた人がいなかったため、みんなで一瞬やってざわつきました。(もちろんどの教職員の方も素晴らしい先生ばかりでした )
半紙を適当な層の間に入れます。
その直前もしくは、突き破ったところで刺入を止めます。
分かりにくいですが、シリコンの最終、半紙貫通の直前で止めています。
これは何cmとかじゃなくて、生体でいうところのいわゆる筋膜(ファシア)的な層の筋膜が重なる部位を刺入した時に突き破る感覚、響く感覚、硬結部位に達した時の刺入の感覚をそのまま自分の手先に落とし込めるんですね。また、例えば刺入して骨(コツ)に到達した時はコツンとした、骨の伝達を感じます。骨(コツ)だけにコツがあります
単純な発想に思えますが理にかなっていて、1年次から教えてほしかったと思ったのと同時に、当時28歳くらいだった松木先生を私は同じ年になったときに多分、人間としても、教育者としても、ひとりの療術者としても到底超えることはできないと思った出来事のひとつでした。松木先生の座学は心地よくなぜか凄く眠たかったです。
まとめ
現役のあはき学生や、鍼に苦手意識のあるブランクのある鍼灸師のあなたも、ぜひこのやり方で片手挿管から刺入、目的の部位にまで響かせる感覚をもう一度思い出してください。
鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の三療師の国家資格が同時取得可能な学校であっても教育方針として鍼灸側に強みがある、マッサージ側に強みがある、両方ともバランスが良い強みがあると、学校によって特色があります。そして特色はあるものの、属人的な仕事ですので学生個人の素質による側面が大きいです。
臨床では定数以上の臨床数を積み重ねると、そこに技能の優位的な差は患者様側からみるとわからないくらい均一化されます。
ただひとつ言えることは、数を診ることと併せて質の積み重ねが伴わないその臨床では技能の向上はあり得ないということです。何も考えずにやる臨床はただの作業です。療術業は青天井で上には上がいますが、ぜひ生涯かけて高みを目指してください。
方程式は
質が伴っていない技術者にはならないでほしい。
ただ数を行けば良いのか?そうではない。
数を行った技術者が評価されるのか?数字は嘘をつかないがそれだけではない。
大切なことは目の前の患者様が持っている課題をどうしたらもっと改善できるのか?そう、患者様やご家族と一緒に、あるいは主治医やケアマネジャー様に報告をし、保険を適用した限られた臨床時間の中で丁寧に考えて臨床を少しずつ変化させていく、志と愛ではないでしょうか。
医は仁術である原理原則をいつの時も忘れないあなたでいてほしいです。
藤井風も動機は愛が良いって言ってました。
大小異なる大きさの穴に刺入する練習方法もあります。