訪問マッサージ師、訪問鍼灸師にとって「最高の仕事靴」とは?

在宅訪問を専門とするあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師にとって「最高の仕事靴」とは?
訪問マッサージ、訪問鍼灸の仕事は、デスクワークと違い施術所自身が患家に訪問するという特性があり、プレイヤーが「歩く」「走る」「乗る」「降りる」「脱ぐ」「履く」を1日中繰り返す仕事です。
一軒ごとに靴を脱ぎ履きし、階段を上り下りし、車への乗り降り、駐車場から患家への結構な距離のある場所を全力ダッシュ、都市部では電車やバス等の公共交通機関を使用し、エリアによっては自転車で移動したり、山間部では危険な山道を歩いたりと同じ空間で仕事をしない業です。
そんな訪問マッサージ師、訪問鍼灸師にとって、靴は“消耗品”という一面もありますが“仕事道具”のひとつ…。
靴、シューズは施術者の身体を守り、疲労を減らし、転倒や交通事故の予防にもなり、仕事の質まで左右する大切な相棒です。
今回は、現役のあはき師が鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師として在宅訪問を専門とされている臨床をしているあなたに向けて、現場で本当に役立つ靴の選び方のポイントとおすすめのタイプを解説します。
雑談ですが、あなたの臨床でのちょっとしたヒントになりましたら幸いです。
訪問マッサージ師の靴選びで大事な3つの条件


① 脱ぎ履きのしやすさ(これは絶対)
1日に何十回も脱ぎ履きします。
玄関でモタつくと訪問時間のロスになりますし、単純な動作ひとつひとつによって疲れが蓄積されます。
- 紐がほどけにくいけどいちいち靴紐を結んだり解いたりしなくても履き口が広くすっと履けるローカットスニーカー
- 紐がほどけにくいけどいちいち靴紐を結んだり解いたりしなくても履き口が広くすっと履けるハイカットスニーカー
- マジックテープのすっと履けるローカットスニーカー
- マジックテープのすっと履けるハイカットスニーカー
- 長靴やブーツ等の靴紐がないタイプ(豪雨、豪雪時)
などが実用的です。
② 長時間歩いても疲れにくいクッション性
前の患家から次の患家への移動は時間との勝負です。足裏の痛みやかかとの疲労があると、施術にも集中しにくくなります。下肢の疲労蓄積があると腰痛や肩こり等の躯幹の痛みに波及する可能性もあります。
- EVAソール
- エアクッション
- 低反発インソール
など、ランニングシューズの技術が入っているものほど疲れにくいです。夏場は特に通気性の良さにもフォーカスしたいですね。
③ 雨・雪・冬道でも安全に歩けるグリップ力と耐水性
特に雪国(新潟県内は長岡をはじめ豪雪地域です)は冬場特にベチャベチャの雪で滑りやすい環境です。高知県もバケツをひっくり返したような雨の降り方をしますし、台風接近中も仕事は通常どおりですので、施術者の靴下や仕事パンツをいちいち履き替えなくて良いように事前に対策をしておきましょう。
滑って転倒した場合には外傷や骨折のリスクがあり、仕事や私生活にも影響しかねません。
長靴やブーツを選ぶときは…
- 防滑ソール(雨道、雪道で滑りにくい足底ソール工夫、ゴムの質が高いもの)
- 雨道、雪道で滑りにくいゴム配合
- 耐水性(雨水や雪が侵入してこない)
- 耐久性(安かろう悪かろうですので、毎シーズン浸水を許して買い替えるよりは良いものを買ったほうがランニングコストは高いです。)
- 着脱しにくいがほぼぬれないロングタイプのブーツや長靴
これらのポイントが大切となります。北海道だと路面が凍っているため、凍結した路面でも歩けるソールがトゲトゲしたタイプの本気のブーツが求められます。
おすすめの靴タイプ1選


形式は問わないが、とにかく着脱が楽で走れて浸水しにくいが蒸れず踵が固定されて運転がしやすいスニーカー
私たちが避けるべき靴のポイント5選(仕事効率と安全性を下げる危険性がある)


重い革靴
革製品や安全靴等硬い素材のものは不向きです。靴擦れもおこりますし、階段や長距離歩行、ダッシュが辛いためです。体力は温存し、施術の時に使いましょう。
底が薄いぺたんこ靴
足裏が痛くなり、施術にも影響します。
スリッポンやスリッパタイプの踵がロックされない靴
地方での車社会では運転に不向き、走れない、足首が不安定で交通事故の際のリスクや施術者の転倒のリスクがあります。



スリッポンタイプは院内勤務では大変便利ですが、在宅訪問で例として一日の施術件数が10件以上だと交通事故のリスクが高まります(私の周囲で)ので、避けるのが無難です。
楽だからついついスリッポンタイプを履きたくなりますが、ちょっとコンビニ行ってくるわというプライベートではなく業務中である意識をもちましょう。
もし交通事故がおきてしまった場合には、あなたの足部は守られません。0.0秒台のブレーキの判断で生死がわけられます。
かかとのあるサボやクロックタイプのサンダル
上のスリッポンタイプと同じような内容です。靴の中で足が滑り、車の運転が危険です。足部が守られず、ブレーキの判断が遅れます。ちゃんとロックされるものにしましょう。



あはきや柔道整復師、カイロプラクターやオステオパス等の療術業で一定以上の勉強や臨床経験があるプロで、足底アーチを考えると踵のない靴を推奨する人間は少ないはずです…。業務中ならなおのこと
昔ながらの足半草履等は今回は除外します。
私もプライベートの室内ではたまに足半履いています。
安っぽい素材と不衛生感、ど派手
靴を見るとその人の性格や職業、品格が分かるとも言います。業務に合う素材や清潔感を保ち、あまりにもド派手な配色は避けましょう。あはき師の在宅訪問現場では白色や黒色の靴を履いている施術者がほとんどです。施設訪問等で施術者の靴がパッと分かるようなポイントが目立つものは良いですが、ド派手で悪目立ちする、品位を損なうものは避けるのが無難です。
現場で“本当に人気”のメーカー、ブランド例


ASICS(アシックス) / アシックスウォーキング
日本人の足型に合いやすく、長時間歩行に強いです。マラソンランナーや療術業では愛用している施術者が多いです。
New Balance(ニューバランス)
履いた瞬間のフィット感が良いです。広めの足にも合いやすいです。療術業会(私の周囲)では圧倒的な支持率があります。型番によるので、かかりつけの施術者に聞いてください。勉強会や研修会に行くと、ほぼみんなニューバランスです。
まとめ


仕事靴(シューズ)は身体への投資
訪問マッサージ師、訪問鍼灸師の靴はただの「履物」ではなく、施術の質と施術者の体調を左右する大切な仕事道具のひとつです。靴は施術者の“仕事効率”“ケガ予防”“疲労軽減”すべてに直結しますので、自分に合う1足を選ぶことが、日々の仕事で最高のパフォーマンスを出し続けられるきっかけになります。
まとめると靴選びのポイントは6つ
- 歩きやすさ、疲れにくさ
- 脱ぎ履きのストレス緩和
- 雨・雪の日の安全性と耐久性
- 費用対効果
- 運転時の足部の安全性
- 見栄え、清潔感
これらが整うと、訪問件数が増えても体力を温存でき、施術そのものに全力投球でき、利用者様やご家族様とのコミュニケーションにも余裕が生まれます。
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同じ職場のスタッフ、患者様やご家族、施設職員様やケアマネジャー様、病院内でもあなたがどんな靴を履いているのか?見られていないようで見られています
療術者自身の足関節、足底アーチをないがしろにするものに、患者様を診ることはできないはずです。重力のある地球で生まれた私達人間の足底は身体全体のアライメントの基礎となります。
しかし、私たちもまだ、これだ!!という靴には出会えていません。
足のカタチは十人十色、千差万別ですので、あなたのベストオンリーワンシューズを見つけてください
一緒に新潟県長岡市で働こう


