鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の学生の卒業後の進路
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の学生の卒業後の進路は大きく4つのコースに分類されます。卒業後にどうすれば良いのか迷われている新卒者の学生、社会人にむけて現役のあはき師としてざっくりと解説していきます。
就職コース
まずは就職!!THE王道です。
全てのあはき養成校で5割半数以上の学生は卒業後に就職します。
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の就職先の選択としては
- 鍼灸院、鍼灸接骨院(鍼灸整骨院)、鍼灸マッサージ院
- 自費の治療院(保険を使わない完全実費、美容鍼灸、腰痛専門等)
- スポーツトレーナー系(実業団体、プロ野球、高校や大学の運動部のコーチアシスタント、スポーツジム)
- 病院、医院(整形外科、リハビリテーション科、ペインクリニック、漢方薬系の外来)
- 整体(無資格、カイロプラクティック、オステオパシー、)
- リフレクソロジー(温泉、スパ)
- 居宅(ケアマネ取得)
- デイサービスや通所リハ、有料老人ホームの機能訓練指導員
- 〇〇協会(非営利団体、営利団体)
福利厚生やボーナス、社員教育やキャリア形成、就労環境は会社ごとに異なります。
最近では、社内での教育システムが確立されている治療院も増えてきたため、就労時間内で働きながら給与がある状態で技能を習得できるようになってきました。
これは新卒者からすれば当たり前のように思えますが、師弟制度が常識である療術業界においては革新的です。
本当に恵まれた環境で、独立開業をしなくても会社員として安定した生活を選択できるように変化してきています。
独立開業コース
独立開業にいたるまでは大きく3パターン存在します。
- やりたい分野が決まっていて在学中に修行という名の臨床経験に研鑽し、卒業後すぐに独立開業する。
- やりたい分野がたくさんあって、いったん就職し様々な臨床経験やマネジメント、経営学を学んだ上で絞って独立開業する。
- 親族が治療院を経営していて代替わりする、代々の独立開業。
- のパターンのあはき師は、周囲が心配するくらい学生時代から働いています。
- は王道です。2の退職の場合、去り際が美しいです。引き際が喧嘩別れになるのは絶対にNGです・・・、独立しても失敗します。
- は、地盤があるので安定しています。
弟子入り、付き人コース
一握りいますが、弟子入りのみで生活ができる人はなかなかいないです。
そのため、現代では開業や就職しながら週末や特定の日だけ弟子入り先で修行をすることが一般的です。
この人だと想える師匠に巡り会えたら本当にラッキーです。
待っているだけでは出会うことはできませんし、全てはご縁です。
進学コース
全てのあはき養成校で1割未満の学生は卒業後に進学します。
卒業後は、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、看護師など他の医療系資格を取得するために大学や専門学校に進学する人もいますし、逆のパターンもあります。
鍼灸マッサージ師養成校の専門学校や大学に教職員として就職するために、教員免許が取得できる鍼灸マッサージの専門学校(2年制)へ進学する熱意溢れる教育者志望の人もいます。
また、中医学、カイロプラクティック、オステオパシーなどを学ぶために海外に留学する人、民間資格取得のために働きながらセミナーや協会に所属する人もいます。
まとめ
就職、独立開業、進学どの選択をしてもあなたの人生ですから自由です。
失敗から学ぶこともありますし、他の治療院に転職して恵まれた環境にいたこと、またその逆が分かる人もいます。
バックパッカーで世界一周の放浪の旅に出かけたり、豪華客船での鍼灸マッサージ師として活躍している人もいます。
日本国内だけでなく海外の治療院に行っても良いわけです。
また、あはき師業界、療術業にむいてないということで、まったく違う畑の業界へ行く人もいます。
人生の方が大切なので、あなたがやりたいこと続けられる場所に居ることが一番です。
就職してサラリーマンになることがダサいと、私も20代前半の頃は思っていました。社会をなめていました。
少しずつ社会が見えてくると、1という数字がどれだけ弱いか、どれだけ周囲の人や環境に助けられているかが身をもって分かってきました。
人間は一人だけでは何もできません。
もし、お世話になった治療院を離職する時は去り際の美学を追求して下さい。自分本位になっては決していけません。
大切なのは目の前の患者様です。
『医療は手当』
医は仁術であり、算術ではありません。