訪問マッサージ、訪問鍼灸に適した鞄選びの3つのポイント

来院スタイルではなく、施術者が患家に訪問する医療保険を適用した訪問マッサージ、訪問鍼灸では仕事道具を入れる仕事道具としての就業時間中ずっと持ち歩く鞄(バッグ) が必需アイテムです。

好きなやつ使ったらええやん、どんな鞄でもええんちゃうんか?と、私も訪問業界に入りたての頃にはいろいろなパターンの鞄を試してみたり、施術者のみんなを観察したり聞いた長年の調査結果を公開します。次に紹介する3つのポイントさえ抑えておけば使い勝手が良くて長く愛用できる鞄にきっと出会えます。鍼灸マッサージ師やあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師のあなたの臨床でのちょっとしたヒントになりましたら幸いです。

雑談ですね、養成校(学校)では鞄がどうのこうのは授業で取り扱われることもないと思います。プレイヤー同士だと、新入社員が入った時に治療院でこの話題になることもしばしばありますので、健忘録としてもまとめます。

目次

訪問におすすめの鞄の3つのポイント

  • マチ幅が広く上に書類を置けて自立できる(型崩れしにくい)
  • 閉められる
  • 清潔に保てる

1.マチ幅が広く上に書類を置けて自立できる(型崩れしにくい)

ご自宅や施設問わずに患者様の生活空間である居室の中で施術は行われます。患者様の空間の中に入らせていただく中で大切なことのひとつに、自分の場所(空間)を確保することが必要不可欠で1つ目のポイントです。

自費(実費)ではない、医療保険を適用した訪問鍼灸マッサージの場合にはレセプトをはじめとした毎月の必要書類のやり取りが発生します。また、毎回の訪問でアナログやデジタルに関係なく訪問施術の記録をつけている治療院がほとんどです。その際に施術者が一時的に取り出す書類や血圧計等の仕事道具を自分の鞄の上に置いておくと、忘れ物やチェックすることの漏れ、ケアレスミス(人為的ミス、ヒューマンエラー)が激減しますのでおすすめです。毎日、同じ場所では施術しませんので、どんな場所であっても自分にとって普遍的な場所の確保のルーティンを崩さないこと、そこにエネルギーを使わない(どこに置こうかな?書類はこの机に…etc)ことが大切です。

在宅の臨床現場では施術者の鞄程度しか置けない空間の居室があることもまた事実です。自分の当たり前が患者様やご家族、施設職員様にとっての当たり前ではありません。物差しは人によって違います。

自立できない鞄だと床に直に置くと崩れたり、鞄のマチ幅が広くないと居室内の壁や何かに立てかける必要があったり、お言葉には出しませんが立てかけられることが嫌だと思われる方も中にはいらっしゃいます。また書類も机を用意していただく必要があったりと、無駄なやり取りや時間の超過、ヒューマンエラーが発生する原因のひとつになることがあります。

私が出会った訪問業界内の施術者で、プレイヤーや社会人としても一定以上の経験や評価されるあはき師は必ずこのマチ幅が広く上に書類を置けて自立できる(型崩れしにくい)ポイントをおさえていました。

2.閉められる

閉められるか、2つめのポイントです。個人情報を扱うため、誰からも見られるような情報の扱い方を避けることが第一の理由です。

開けられるは当たり前ですね、鞄ですから…

この閉められるにも種類があって

  • ファスナータイプ
  • ジッパータイプ
  • ボタンタイプ
  • マジックテープタイプ
  • マグネットタイプ
  • 紐タイプ…etc

鞄をただ閉めるという行為だけでも様式が様々です。
この中で一番おすすめなのは、ファスナーやジッパータイプの完全に閉められるタイプのものです。YKKのジップだとまず間違いないです。

臨床現場の事例を2つ紹介します。

事例1 乳幼児や小児の興味をそそらない

患者様と施術者と一対一になることが望ましいのですが、同じ空間に小さなお孫さんやひ孫さんが帰ってきていると、普段見慣れない鞄があり中身が見えてしまうと興味本位から取り出してしまうことが実際にありましたので、その予防のために閉められる鞄が良いという結論です。ボタンタイプ等で部分的に見えてしまうとそこから取り出せてしまうので、全て閉められるタイプが最適です。

事例2 飼い猫や飼い犬の興味をそそらない

原則、施術中は危ないので(鍼灸をするならなおのこと)室内飼いの猫や犬はゲージにいれていただくか部屋を分けていただきます。小さなお子さんの事例と似ていますが、猫や犬が誤って施術者の備品を持っていかないためです。また、人間には分からない何かがきっかけで動物が興奮してしまう可能性もありますので、予防のためにも完全に閉められるタイプの鞄が最適です。

状況に応じて閉められない鞄だけは選ばないということを意識すると、鞄を購入する際に失敗がないです。また、鍼灸道具も鞄の中に一緒に入れている施術者もいますが、私が出会った7割くらいの施術者は主な鞄とは別にハードボックスで確保して持っていっていました。都市部または地方での訪問施術で、車での移動か徒歩、電車や自転車移動かによっても最適解が異なるとは思いますが、また別記事で紹介します。

あり得ないはあり得てしまいます。現実は小説より奇なりとも言いますが、リスク回避や危機管理の先読みの能力はあはき師であってもどの医療従事者であっても絶対に必要な能力です。

人間は、まだ話が通じるから良いのです。躾されていない動物は話が通じません。患家で猿や猪が出たという話も過去にありました。実家もよく猪や猿、たぬき、鹿が出ます。熊が出た時はニュースになりました。孔雀もいます。

雑学ですが、猪の毛(躯幹)は通電が通用しません。通電が適用されるのは実は鼻なんです。鼻で通電されることによってここは危険だと学習するんですね。

3.清潔に保てる

3つ目のポイントが清潔に保てるか、です。ユニフォームは毎日お洗濯しますが、鞄はどうでしょうか?コロナ禍を経て日常的に使う鞄も清潔さを保てることも大切な要素であると気付きました。

布タイプのものであれば、手洗いや洗濯機で洗濯可能なもの
革タイプであればアルコール等で消毒可能なもの
ハードボックスタイプはたいてい丸洗い、消毒可能

特にインフルエンザ等の感染症が流行している時期は清潔さを心がけたいですね。公衆衛生学も授業でありましたが、健康管理の基本として必要不可欠な学問です。

繊維産業、縫製業界も奥が深く、布も厚いから良いということでも、化繊(ポリエステル)だから悪いということも決してありません。綿製品のコットン100%は静電気がおさえられることは事実ですが

皮製のものは、四辺や取っ手が壊れてしまってもプロの職人さんに頼めば、直してまた使えます。(家庭用ミシンだと難しいので工業用ミシンでないとたいてい縫えません…。)
布製のものは自分で修繕すれば何度でも使えます。

新しいものも大好きですが、自分が惚れた鞄で良いものを大切に長く、道具に対しても愛情を持てるあはき師だと良いですね。道具の扱いはその人の人格が反映されるのかもしれませんし、そうじゃないかもしれません。

何色が良いのか

一般的な会社員だと鞄のカラーは黒色(ブラック)を選択される人が多い印象です。

決まったガイドラインはないので、紺色(ネイビー)、茶色(キャメル)でも良いのではないのでしょうか。今はランドセルでも多様性のあるカラーが認められていますので、愛着がもてて悪目立ちしなければ良いでしょう。

まとめ

訪問マッサージ、訪問鍼灸に適した鞄の3つのポイントの紹介でした。

では、結局のところどこのメーカー、ブランド、ハイブランド?、日本製品?のどこの鞄がええねんという話になりますが、上の3つのポイントを参考にあなたのベストオンリーワンバッグを選んでいただければ幸いです。

バックパック系のリュックタイプでも良いですし、Uber Eatsの配達員さん達が使っているような2層式のリュックでも良いですし、ブリーフケースタイプでも良いですし、ショルダータイプでも良いですし、もはや鞄は使わないスタイルでも良いですし、使い勝手の良さは人それぞれです。

あはき師管理者研修の流れはこちらの記事にまとめて紹介しています。

あはき管理者研修のレポートの書き方を私なりにまとめた記事はこちらです。

療養費支給申請書で多い疾患の割合を統計学でまとめた記事はこちらです。

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矢野 唯

私は、何周か回って、結局メイドインジャパンの吉田鞄が一番ええわと、最強ながやないろうか、洗えるし、凄い耐久性やし、Y.Y.やしと、令和になり気づいてポーターを使っています。
大切な書類はそっちの鞄に入れて、出入りの多い消毒液や手ぬぐい、血圧計等はオーシバルの小さめのサブバッグに入れています。プラスしてハードケースに鍼灸道具の3点セットを患家に持ち運びますね。
まとめの標題の下の画像が私の鞄一式です。ご参考までに

臨床では施術者がエネルギーを一番使うべきポイントはやはり施術そのものですので、施術に付帯するものをいかに効率良く、最小限のリソースで行うかを考えるきっかけになってほしく、こちらの記事を書きました。

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